【5分でわかる!】北方領土の日【超まとめ】

みなさんこんにちは。
品川区議会議員のせりざわ裕次郎です。

実は本日、2月7日は北方領土の日ということで北方領土をテーマにお話ししたいと思います。

1)北方領土の基礎知識

北方領土・北方四島、なんて言ったりもしますが、日本地図で北海道の右上の方に出てくる四つの島々のことで、ロシアがなかなか返してくれない島。
択捉・国後・色丹・歯舞とあって、面積は一番大きい択捉島で約3,000㎢。四島合わせて約5000㎢。 3000㎢だと23区の約5倍。5000㎢だと大体千葉県位の大きさと思っていただければと思います。

現在18,000人のロシア人が在留していて、距離としても北海道から一番近い歯舞諸島の貝殻島までは3.7㎞。東京湾のうみほたるが約15kmなので北方領土というと遠い島のイメージを持たれやすいのですが、こう考えると根室の目と鼻の先の島々であること、そしてその領土が、戦後不法に占拠され続けている課題の大きさがわかります。

2)経緯

領土問題の発端は?というと、

北方領土、当初は日本の領土として統治をしていて、お互いに認めていた時期がほとんどなんですね。そもそも島を先に見つけたのは日本であり、1798年には、当時の江戸幕府が大日本恵登呂府(だいにっぽんえとろふ)」と書いた標柱を建てています。19世紀前半には、ロシアも自国の領土の端はウルップ島ですよ、と認めています。
1855年に結んだ日魯(ニチロ)通好条約でもこの国境は確認されています。この日魯(ニチロ)通好条約は、平和的かつ友好的に結ばれたとされていて、いわば戦争による勝者敗者の力関係がない中で、平等に結ばれており、北方四島の領土を主張するにあたって非常に大きな意義のある条約であります。
この日魯(ニチロ)通好条約が1855年の2月7日に締結され、両国の領土の認識の起点になったと考えられることから2月7日が北方領土の日として日本では制定されています。

その後1875年樺太千島交換条約が結ばれ、日本からは北海道の北側にある樺太島をロシアに、ロシアからはウルップ島を含む千島(ちしま)列島を日本にそれぞれ交換する条約が結ばれました。

 そして日露戦争の終了後1905年、ポーツマス条約では樺太島の一部を日本が譲渡されました。

ここからが問題の起点です。第二次世界大戦が行われ、日本は敗戦国となるんですが、ここでロシアが強硬手段にでます。1945年の8月14日、戦勝国であるアメリカ・イギリス等から日本へ降伏要求がなされたポツダム宣言を終え、翌日の8月15日、昭和天皇による玉音放送で日本は事実上の終戦を迎えます。

その後の9月2日に降伏文書の調印し名実ともに終戦となるのですが、まずロシアは8月15日~9月2日の間に択捉・国後を侵略、そして、9月2日ののちも南下して色丹・歯舞を侵略。当時北方領土にはロシア人はひとりもおらず、日本人が約1万7千人住んでいましたが、全て強制退去させられており、以降ロシアとは国境の確定および平和条約の締結に至ってないのが現状です。

3)ロシアの主張

一方はロシアの主張はと言えば、
①日本は1855年が国境だというが、そこから複数回にわたり国境は変わっており、正当性を欠く
➡戦争による国境の変化

②第二次世界大戦の終結によって確定した国境が最終的なものである
➡降伏後に火事場泥棒のような形で・・・
③アメリカ・イギリスとの密約において、ロシアが対日戦争に参加する際勝ったら千島列島をロシア領とすることとすると約束していた。
➡そもそも密約で、一切日本は聞いていない

④1951年のサンフランシスコ平和条約で千島列島を日本は放棄している
➡千島列島に北方領土は含まれていない。そもそもロシアは調印しておらずロシア領と主張することの正当性がない

4)今後の方向性

高市早苗政調会長は、本年1/19の記者会見で北方領土に対して政府が二島返還を軸に交渉を転換しているとの指摘に対し、国として四島返還をしっかり進めていくことに変わりはない。と否定をしており、大きな枠組みとしては四島返還を進めていくことを宣言。

ただその中で交渉の範囲を絞って一つ一つ解決をしていくことも選択肢にあるとも発言しており、あくまでもゴールは四島返還で、その通過点として数を絞った交渉も行われる可能性があります。

また、諸外国との連携という観点も必要になりますが、特に昨今メディアを賑わしているウクライナとの連携も大きくあるかと思います。2014年に強行されたクリミア半島とロシアの併合は、かつての北方領土と重なる部分が多くあり、ウクライナと連携して国際社会を動かしていくのも大きな力になると考えます。

おわりに

この記事を読まれるほとんどの方が、生まれたときから北方領土を侵略されており、返還のイメージがない方も多いかと思います。

また、北方領土を学ぶことでウクライナへの見方も変わってくるのではないでしょうか。
一刻も早く、日本の固有の領土が正当に返還されるために、適切な交渉が再開されることを望みます。
閲覧いただきありがとうございました。

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